ジビエが食べたいなら『tracks』!
福岡デイズ、糸島エリア「非おしゃれ」部門担当、
ゴーシ先生です。
今回はジビエのお話。
まず、日本には「と畜場法」があり、
牛、豚、馬、羊、ヤギは、
と畜場以外の場所での
屠殺・解体が禁止されています。
つまり、牛や豚などは、
自分で屠殺・解体ができません。
でも、逆に言えば、
イノシシやシカ、アナグマ等々は、
自分で屠殺・解体してもよいのです。
しかし、それを販売するとなると、
次の「食品衛生法」というハードルがあります。
野生鳥獣を解体、精肉、販売するには
食肉処理業と食肉販売業の許可が必要で、
保健所の認可を受けた施設で
屠殺・解体しなければなりません。
ちなみに、糸島市には、
保健所の許可を受けた施設は3箇所しかありません。
ジビエ・ブームと言われていますが、
なかなかジビエが簡単に手に入らないのは、
このためです。
『tracks』の代表の江口政継さんは、
獣害(イノシシ等に農産物を食い荒らされる)
に悩んでいる農家さんをなんとか助けたいと思い、
猟師になることを決意。
そんな就職の選択肢あるんだ(笑)。
そして、保健所の許可を受けた施設まで整備してしまいました。
冬場は、
ゴーシ先生もtracksでイノシシ肉を買い、
BBQします。
イノシシ肉と言うと「臭い」というイメージがありますが、
それは、血抜きの方法がダメだからです。
江口さんの、止め刺し、
血抜きの技術はものスゴイです。
全く臭みはなく、脂は甘い。
お客さんを招いてBBQしても、
めちゃくちゃ喜ばれます。
評判がよく、事業規模も拡大。
糸島市では
年間1200頭ほどのイノシシが駆除されていますが、
そのうち350頭がtracksで解体・精肉されています。
今では、月に100頭ペース。
ダントツです。
それだけでなく、
「猟師さんから現金買い取り」もやっているので、
シカが持ち込まれたり。
そうすると、
品質のばらつきが心配になりますが、
江口さんが、直接、
止め刺し・血抜きの方法を猟師さんに指導し、
ダメな個体は持って帰ってもらうそうです。
だから、品質も安定。
加えて、全部、自分たちでやっているので、
そこらへんの道の駅等で売っている
イノシシ肉より高品質で、安い。
余談ですが、スタッフも増え、
公務員をやめて、
tracksに入社した人もいるみたい。
どんだけ魅力的なん!
駐車場前では、野菜の直売もやっているし、
ワンちゃん用のイノシシの骨の無料配布もやっています。
定休日は日曜・祝日ですが、その日も、BBQ等して、tracksで遊んでいることが多々。来てくれたお客さんには、「全然、対応します!」とのこと。
ライターNo.1 ゴーシ先生 *+*+*+*+*+*+*+*+*+*++*+*+*+
佐藤剛史 Goshi SATO
作家。食育研究家。
九州大学大学院農学研究院助教。
1973年、大分県生まれ。農学博士。
年間の講演回数は100回を超える。
主宰する、社会人向け学びの場『大人塾』は
福岡市、北九州市、熊本市、
佐賀市、糸島市、長崎市、大阪市で開講され
これまでにのべ3000人が受講。
主な著書に
『ここ-食卓から始まる生教育-』(西日本新聞社)
『いのちをいただく』(西日本新聞社)
『すごい弁当力!』(PHP)
『食卓の力』(現代書林)など、いずれもベストセラー。
新聞掲載、テレビ・ラジオ出演も多数。
TNC『ももち浜ストア 夕方版』レギュラー・コメンテーター。
http://goshisato1973.com